工作7割、工作大好き

turu

2015年10月23日 11:06

アトリエは基本自由です。
だから絵を描いても工作しても折り紙してても、写し絵でも粘土でも木工作でも何でもどうぞ!

とにかく子どもたちは工作が好き。
みんなの様子を見ていると、工作ばっかりするという子がだいたい6、7割でしょうか。
あとの、3、4割は絵と工作を行ったり来たり
どちらかというと絵の方が多いかなという子はほんの1割程度。そんな感じです。

だから4、5人のクラスで、みんな違う工作をしていて、あっちからもこっちからも「手伝ってコール」が絶えない時、たいへんでたいへんで千手観音みたいに手がいっぱいあったらいいのに、と思います。

子どもたちはこちらが何か言う前に、まずはどんどん自分で試すので、危険なことは回避しなければなりません。アトリエにはカッターや針金千枚通し、ホットボンドなど危ない道具もけっこうあります。

だから絵と違って、小さい子ほどどうしてもお手伝いが必要になります。

できるだけうまくいくよう、道具の使い方を見せたり、ちょっとおさえててあげたり、糊つけを手伝ったり。失敗することも大事ですが、作りたいイメージを実現することで得る喜びも大きいので、そこは大人の知恵と経験でカバーします。

「それではくっつかないよ。こっちのボンド使って」
「君、カッターナイフの使い方アブナイ、恐いよ!」
「そんな太いワイヤー、ハサミで切らない!」
「ホットボンド床におかないで!」
とまあ、てんやわんやです。

アトリエをやってます、というと「あら、いいわねえ。子どもたちと一緒に絵を描いたりするの?」なんていわれることもあるけどいえいえそうではありません。子どもたちへの注意力とエネルギーがかなりいります。

アトリエを運営する私の友人のひとりは、成人した娘さんが手伝うようになって「やっとお絵描き教室から工作もできるようになった」といってました。そのくらい大人の手が必要で、それくらい子どもは工作が好きなのです。


情報化社会となりますます手指を使ったり身体を動かしたりすることが減るなかで、この子ども時代の工作体験というのは本当に大事だと思います。

触る、切る、ちぎる、ねる、結ぶ、貼りつける、塗る、それらの感覚を全開にしての造形は、「自分で選び、自分でできる」体験として蓄積されます。それらは物を調べたり人と会ったり、文章を書いたりすることにも、きっと力となってくれるでしょう。
数字ではあらわせない人の心の栄養となって、将来の豊かな人生をデザインしていく原動力になると思うのです。


ちなみに私の子ども時代はというと絵は好きでしたがほぼマンガ。少女マンガ、バレエ漫画はもちろん「巨人の星」や「明日のジョー」も熱心に模写していました。それから手芸やお菓子作りをそうとうやっていたのでそれが工作代わりかな。とにかく手を動かしているのが好きでした。
いわゆる風景や人物などを描き始めたのは高校に入ってからでした。

いつの時代も、子どもの頃の工作は自分を育てるために必要な栄養素のようなもの。子どもは本能的に知ってて必要だからやってるのです。

ちっとも絵を描かないといって心配することはありません。ひとりひとりのペースで時期がくれば必ず描き始めます。
また子どもによっては他の分野で才能を伸ばしていくことが始まるのです。

だからそれまでは私も我慢しつつ、工作を心から応援し、お手伝いしようと思います。





「おおすなあらしおしたおしおきのうみ」と書いてあります。

関連記事