色彩は「もう一つの心の言葉」です。 色は私たちの感情や記憶と深くむすびつきながら日々を豊かに彩り、心身に様々な作用を及ぼしています。色を使った表現を通して心を元気にしたり自分らしさを育てたりするアートセラピーを社会に活かしていきたいと思っています。

いわき市美術館「子どもの絵が語る心の記憶」展覧会

いわき市美術館「子どもの絵が語る心の記憶」展覧会

昨日、思い立って、いわき市美術館に行ってきました。

3.11から一年間、「東日本支援クレヨンネット」のアートセラピーの活動の中で、
東北3県を中心とした約50か所の避難所や仮設住宅、保育園などで描かれた子どもたちの絵が、この22日まで展示されています。

いわき市美術館は震災直後からアートセラピーを通した心のケアの実践の場を提供しており、
今回の展示はことさらチラシやポスターなどの掲示もありませんでしたが、広いワークショップの会場で静かに行われていました。

5月にはニューヨークでも開催予定とのこと、いずれは何か印刷物などになって手にすることも
あるかもしれませんが、どうしても原画を見たかった。

私自身、2月に仙台と石巻を訪ね、ボランティアに参加させてもらったということもあり、
子どもたちの原画のもつ息づかいというか、たとえば「おっきな筆をにぎりしめてグシグシ描いたのかなあ」とか「ああ、笑ってるなあ」とかそんな直接の想像力の中で絵を見たかったのです。

展覧会場は撮影禁止ですので作品を紹介できないのが残念ですが、ひとつひとつコメントのついた48点の絵からは震災当初の恐怖や悲しみなど悲痛な表現から、時間とともに次第に落ち着きを取り戻し、明るく元気になったりしていく様子が伝わり、子どもたち自身の本来もっている生きる力を感じることができました。

また企画展として開催されていた「光あれ!河口龍夫----3.11以後の世界から」の様々なオブジェと「斎藤さだむ----不在の光景」はその後の一年を問い続けた作家の鋭い視線に、原子力に依存してきた社会のありようを見る者に突きつけるようで心を動かされました。

気がつくと3時間余りもそうやって美術館ですごしていました。
でも、ちっとも疲れていないのです。
わたしが集中しているから?いえいえそうではなくて、本当に静かだったのです。
平日ということもありますが、ひろい展示室のどこも私とあとひとりくらいしか鑑賞している人がいないのはこれらの展示にたいして少し寂しく複雑な気持ちでした。

表現することや芸術には力があります。
いわき市はちょうど今頃桜が見ごろでした。
これから東北地方各地では復興へむけての文化的なイベントや試みもさまざまに行われると思います。
芸術もまた、すこしでもこころの再生に役立ってほしいと思わずにはいられませんでした。



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