色彩は「もう一つの心の言葉」です。 色は私たちの感情や記憶と深くむすびつきながら日々を豊かに彩り、心身に様々な作用を及ぼしています。色を使った表現を通して心を元気にしたり自分らしさを育てたりするアートセラピーを社会に活かしていきたいと思っています。

スマホ、携帯、iPad、そして子どもたち

4月、新しい年度がスタートしました。5月からは新元号もスタートします。
私もこの時期にいろいろなことを整理して新時代を迎えたいと思います。

昨年2月に新しいスペースに移転してからあっという間の一年がすぎ、もう4月です。昨年度はさまざまなイベントにも参加し、作品展も開催しました。充実していましたが「光陰矢のごとし」という言葉をこれほど噛みしめたことはありません。なんだかすべてが速い!!!

そしてこの一年、アトリエの一番の変化はアートのことではなく、子どもたちのスマホや携帯iPadなどの通信機器がアトリエでも急速に見えるかたちになったことでした。


以前から安全のため子ども携帯を持たせる親御さんはいましたが、アトリエが私の“個人宅”でなくなったせいか、高学年や中学生があたりまえのように携帯を持ってきて、あたりまえのように使うので、子どもたちと通信機器との関係をずっと身近に感じることが増えました。これも“場”の変化だとつくづく感じます。


携帯で何かを調べたり、画面を見ながらキャラクターやロゴを描くのは当たり前、お互いアプリや動画を見せ合いながら、ひとしきり情報交換。その分、会話も増えて、私も学校でのいろんな様子や悩みを聴くようなことが増えました。

以前の自宅でのアトリエは私個人に対して一人の子どもとの、先生と生徒のような関係があり、それが放射状にひろがっている状態でした。
でも今は子どもたち同士の関係も明確にあるし、さまざまな情報が飛び交い、そこに私も含めた放課後教室のようなちょっと社会的な関係のアトリエが作られているように思います。

携帯ねぇ、創作にはいらなくない?・・・と戸惑うこともありましたが、ここは視点を変えて、今の子どもたちの現状を受け入れ前向きに考えていかねばと思うようになりました。

通信環境という背景を抜きには子どもたちのリアルや深い感情も見えてきませんし、何より子どもたちから教えられる時代の様相というのも多々あります。

ユーチューバーにインフルエンサー、ティックトック、ラズベリーパイ・・・・、みんな子どもたちに教えてもらいました。
サカナクションや米津玄師など、今注目のアーティストも「先生、これだよ!聞く?」とすぐにスマホで出てきます。

そのまんまの共有はできなくても、それも含めて「子どもたちらしさ」なのだし、逆に子どもたちの作品のリアリズムももっと良く見えるかもしれません。

でも急に静かになったなあと思ったら、さっきの情報交換はどこへやら、みんな「自分」に集中して作品にとりくんでいたりします。

やっぱりアトリエは自由な作品作りを通して自分を大事にするところ。みんなの創作する姿に安心しつつ、新しい時代に、少しでも楽しく、創作を通してみんなが「自分」を生きるられる場所にしていきたいと思います。




千葉県佐倉市の「DIC川村美術館」。日曜日にいってきました。印象派から近代絵画、アメリカのポップアートまで豊富な常設コレクションと企画展「ジョセフ・コーネル」(6月16日まで)を観ることができます。桜は3分咲きくらいで寒さもあったけど、3万坪の庭園は本当にすばらしい。ちょっと遠いけど、何度でも行きたい美術館です。