色彩は「もう一つの心の言葉」です。 色は私たちの感情や記憶と深くむすびつきながら日々を豊かに彩り、心身に様々な作用を及ぼしています。色を使った表現を通して心を元気にしたり自分らしさを育てたりするアートセラピーを社会に活かしていきたいと思っています。

夏から秋へ!季節も人生も

7月の「ハートアート展」も終わり、ほっとしたのもつかの間、超多忙な8月をすごしました。

三鷹市内の高齢者施設での新しい仕事も始まり、アトリエにも新しい子どもたちが入会してくれました。なにより例年の夏休みとはちがって実に多くの子どもたちがお休みすることなくアトリエに参加してくれました。

そして暑い暑い夏の終わりを告げるかのような、8月の最後の日、富山から懐かしい人が訪ねてくれ、20数年ぶりの再会をはたしました。

訪ねてくれた彼は今年49歳、今井もとしさん、私が富山で中学校の美術教員をしていた30数年も前、美術部の部員だったメンバーのひとりです。

富山で当時教師として勤めはじめたばかりの私は、みんなよりちょっと年上なだけで教員としても社会人としても実に未熟でした。

1学年11クラスもあるようなマンモス校で、授業、研修、さまざまな行事など緊張の毎日。とにかく若くて一生懸命なだけの、持てるエネルギーを精一杯そそぎこむような日々の中でなんとか学校に勤めることができたのも、放課後の美術部の存在があったからこそです。

教師という仕事にどこか違和感をぬぐえない中で、授業以外の場で直接中学生だったみんなと触れあうことができたこと、美術部の顧問としてみんなと一緒にいさせてもらったこと、それは今の自由表現のアトリエの活動にもつながる仕事の原点であり、自分にとっての「心のオアシス」のような大事な時間でした。


15歳と25歳だった中学生と教師は、49歳と59歳になりともにシニアの域にはいりました。(なんか、年の差が縮まったような・・・)

互い容貌の変化はこれはもうねえ、はい、20年、30年ですね、て現実だから。しっかり時間が積み重なっています。

2時間ほどランチしながら、今井さんから美術部のみんなのそれぞれの人生の苦労や出来事、そして現在のことをたくさん聞きました。私は富山を離れてしまい、その後もほそぼそとは繋がってきた関係ですが、思いだされるのは当時の教室や中学生の頃のみんなの顔立ちそのままです。

なのに今井さんの携帯には、LINEで他の男性メンバーからお孫さんの写真が添付されてきたり(孫って!!、お孫さん?!)、女性メンバーが優しい声を聞かせてくれたり・・・。(この同時性に想像力が追い付かず、メモリーオーバーになりそうな私でした。)


富山から訪ねてくれた今井さんは、これからの人生を政治の世界に捧げたいと言います。
この国がいま向かおうとしている方向に、はっきりと異をとなえ、本当に必要なことに目をむけ行動することはどんなに力のいることでしょうか。
政党には属するものの、資金といい、人間関係といい、聞けばきくほどあまりにもクリーンな彼のありように、しっかりした眼差しと強い信念を感じました。
古い体質の色濃い、保守王国富山に新しい風は吹くのでしょうか。
いえ、吹かせてほしい。
さまざまな差異をこえて誰もが安心してくらせる、あたりまえの社会を作っていきたいと思うだけなのに、今それがとても難しい。
だからこそ、こころから彼を応援したいと思いました。


年齢を重ねたからこその、ゆるやかな、再びのつながり。
共に、人生の節目であり、新しいスタートにたっているそんな秋です。



                            御岳山のレンゲショウマ