色彩は「もう一つの心の言葉」です。 色は私たちの感情や記憶と深くむすびつきながら日々を豊かに彩り、心身に様々な作用を及ぼしています。色を使った表現を通して心を元気にしたり自分らしさを育てたりするアートセラピーを社会に活かしていきたいと思っています。

展覧会「みちのくの仏像」「3.11大津波と文化財の再生」

上野の東京国立博物館で「特別展、みちのくの仏像」と「3.11大津波と文化財の再生」を観てきました。

私もほとんど仏像や日本の歴史は知らないのに、なぜか仏像には見入ってしまいます。
国宝、重要文化財など東北6県を代表する仏像がたくさん展示されていました。



一本の木から掘り出された薬師如来坐像の堂々とした姿、鎌倉時代に作られたという十二神将のどこかエキゾチックでものすごく勇ましい表情、表面に残る荒いノミの跡が美しい聖観音菩薩立像、どれも始めて見る仏像ばかりです。

円空の作った像などはおもわず微笑み返したくなるようなやさしいお顔をしています。

これらの像の姿からは、京都や奈良のそれとはまた違って、厳しい東北の自然の中で生きた人々の強さややさしさが伝わってくるような気がします。千年を経た木の像の穏やかな茶色(和名で黄土、金茶、岩茶などといったほうがしっくりします)をじっと見つめていると、自分のなかの生きる「よりどころ」を求める気持に何かが触れてくるような感覚になります。


もうひとつの展示「3.11大津波と文化財の再生」は岩手県陸前高田市の文化財の再生を紹介しています。災害復旧といえばまず生活、経済、教育環境というふうに思いうかびますが、文化財の再生についてはほとんど知りませんでした。旧家に伝わる和綴じの文書、
リードオルガン、油絵、高田歌舞伎のかつらや衣装、蝶の標本などさまざまなものが救出され、そしてカビやヘドロを洗い落とし、劣化を防ぐ安定化をほどこし、やっと本格修理をする。全国の博物館などが参加しておこなわれた再生の過程と修理された文化財を観ることができます。こんなに手をかけて、そしてここまで修復するのかということに、まず驚きました。震災により傷ついたものは数知れないという思いがまた新たになります。

東京など被災地以外の新聞も、こういうことも含めたいろんなことをもっともっと紹介してほしいと思いました。

実は12日から、三鷹の知人とともに、岩手県の気仙沼や陸前高田を訪ねる旅に出かけます。今回は初めて訪ねる場所なので現地のかたのお話をいろいろ聞いてきたいと思います。

  


  • Posted by turu at 00:15Comments(2)出かけました