色彩は「もう一つの心の言葉」です。 色は私たちの感情や記憶と深くむすびつきながら日々を豊かに彩り、心身に様々な作用を及ぼしています。色を使った表現を通して心を元気にしたり自分らしさを育てたりするアートセラピーを社会に活かしていきたいと思っています。

ワークを終えて

21日、三鷹市市民協働センターにてアートセラピーワークショップ「心を癒す色の不思議」を開催しました。

この日は参加はお1人だけ

秋のお彼岸、3連休、そして運動会やさまざまなイベントの時期と重なったことを思えばしかたありません。
でもそんな中きてくださったお1人の方とのワークショップ。感謝です。

この日午前中はウオーキングの会に参加して、午後「アートセラピー楽しみにしてたのよ」と参加してくださったSさん。
ご自身は水彩画を描くという70代(?)の女性です。

「色彩は心とどういう関係があるのかと興味があって」と筆記具とノートをだされたので、ちょっと緊張。

とりあえず「色を塗ってみましょう」と、感情や人生にかかわる言葉を色に置き換えてもらいました。
好きな色、苦手な色、嬉しい、悲しい、父、母、自分、過去、現在、未来など・・・・。

小さなマスを色で塗ってもらい、それから色彩心理のレクチャーも交えながらSさんの人生をお聞きしました。

小さいころ「なぜ星座が毎年めぐってくるのだろうと不思議でしかたなかった」という原点があり、20万年前にさかのぼる人類の起源や歴史に興味を持ち、日本史や世界史、いまではアジアの歴史にも関心が深いというSさん。
ご自宅の壁には世界地図と日本地図、そして人類史、世界史、日本史、韓国中国史にいたるまで拡大した年表を貼ってあるそうです

「人類の歴史は壮大。その上に私たちが生きているの。だからいまでも新聞は毎日読むし、なにかおもしろいなと思ったら必ず年表をみてその時ヨーロッパは?とか日本は?とか調べると本当にいろんなことが見えるのよ。おもしろいわよ、あなた」
と本当に楽しそうに語ってくださいます。

私たちが今見えていると思っている事だけでなく、人類という壮大な営みの上に自分たちがいるという感覚があったからこそ、さまざまな大変な経験も乗り越えふっきてれきたというSさん。

「では次に、Sさん自身のこれから未来の時間を描いてください」とお願いして描いていただいたのが下の絵です。(写真左上)


地球はみんなで一つになっていって、そして宇宙の果てのずっと先の時間につながっていく、というイメージ。
それはまた震災や原発のことを経験したこの国がどうなっていくのかという思いにつながっていると言います。

「思いもかけない色や絵がでてきちゃった。アートセラピーっておもしろいわね」(そういう感想がいただけると嬉しい)

最後に複写式になった「カラーカルテ」に絵で使った色をひろって線で囲んでもらいました。(写真下)
めくると2枚目にはそれぞれの色が意味する感情や身体の状態などの「言葉」が書いてあります。

線で囲んだ色は青や青紫、そして緑など類似した色域に集中しています。
抑制のきいた精神性の中に、Sさんが語った人類や宇宙の神秘、そして平和や安らぎを求める気持がそこからも見えてきます。


「あら面白い、こんなこともわかるのね」

「ありがとう、今日はほんとに楽しかったわ」そう言って帰っていかれました。

そんな風に言ってくださってこちらこそありがとうございます。
グループワークのようなやりとりは出来ませんが、こういう時間は私にとっても大切です。
そして楽しかったといわれれば、それこそ「よかったぁ」と思うわけでまたやりたくなります。

そんなわけで、帰り際に11月の会場予約をしてきました。(実は9月以降のことはあまり考えられずにいたのです)
次回は以前からやりたかった「大人の塗り絵」を使ったワークをしてみようと思います。

またブログでもお知らせしていきます。  


  • Posted by turu at 19:01Comments(2)アートセラピー