色彩は「もう一つの心の言葉」です。 色は私たちの感情や記憶と深くむすびつきながら日々を豊かに彩り、心身に様々な作用を及ぼしています。色を使った表現を通して心を元気にしたり自分らしさを育てたりするアートセラピーを社会に活かしていきたいと思っています。

みんな大好き「混色体験」

アトリエで5、6才の子どもたちが絵具を体験し始めると、必ずといっていいほどすることが一つあります。

それは「ただただ絵具を混ぜ合わせる」ということです。

大人の目から見たら「わっ、なんでそんな汚い色にしちゃうの」ということになるのですが、ひたすら混色している彼ら彼女らはおかまいなし。
楽しくてしかたない様子です。

私もこの「ひたすら絵具を混ぜ合わせる」が始まると、「絵具、もったいないなあ」という大人の気持ちをひとまず封印してとりあえず見守ることにしています。

とにかくやっている最中は目が輝いているし、よだれがたらーり出ることもあるし、トイレもがまんして両ももをピッタリくっつけてなにやらぴょんぴょんもぞもぞしたり・・・。
つまり、色と色を混ぜ合わせるということは、それくらい子どもたちを夢中にさせることなのです。

たぶん、幼稚園や保育園ではさせてもらえないこと。でも、やっちゃいけないことほどやってみたいのが正直な気持ち。

私は、子どもたちが色をひたすら混ぜるという「実験」を心行くまですることで、体験的に色を理解し自分なりに使えるようになっていくのだと思っています。

わけなんかわかんなくても、それがなんであっても夢中になれるということ。
それが小さな子どもたちの特権でもあるし、自ら育っていく大切な時間だと思うのです。

この「混色実験」はたいてい一回やれば気が済むらしく、みんな次からはきれいな色や好きな色に戻っていくから不思議です。
だからこそ、必要な通過点なのかもしれません。

5歳女の子の絵。





こちらは、5歳男の子の「混色」した色をつかって描いた絵。



同じ男の子が、その次のアトリエで描いた3枚の絵(昨日)。上から順に「元気な桜」「火と水と紫の花」「いろんなレンガの中のたんぽぽの花」







色に自分なりのイメージが与えられています。