色彩は「もう一つの心の言葉」です。 色は私たちの感情や記憶と深くむすびつきながら日々を豊かに彩り、心身に様々な作用を及ぼしています。色を使った表現を通して心を元気にしたり自分らしさを育てたりするアートセラピーを社会に活かしていきたいと思っています。

5歳だって大人っぽい色

今日もアトリエの作品を紹介します。これはは5歳の男の子の作品。
3回くらい通ったなかで時間をかけてつくりました。


タイトルは「街」です。
青い海の横に、道路とトンネルと車、それから信号のついた歩道橋があります。
人は紙粘土を型抜きで抜いて作ってあります。

ひとつひとつのイメージがしっかりあるだけに、何度も作りなおして
立体にするのにすごくがんばっていました。

作者の口癖は「できない」「できない」「ああ、できない」。
ちいさな哲学者のように「ああ、できない」をつぶやくのです。


でも、この歩道橋も信号もよく観察していることがわかります。
絵具、厚紙、紙粘土といろんな素材をつかって
自分のイメージに近づけようとする力や意欲もなかなかのものです。

そしてダークな大人びた色使い。
ダークな色や青い色は感情的には抑制がきいています。
「ああ、できない」のつぶやきは、慎重にイメージどおりに良く考えてつくりたいという内面の声でしょう。

5歳でも、その色合いから大人びた感情を感じさせる作品になりました。

そして、すっごく良くできてると思うよ。